■PJ HARVEY | PJハーヴェイ、7月7日発売のニュー・アルバム『I INSIDE THE OLD YEAR DYING(アイ・インサイド・ジ・オールド・イヤー・ダイイング)』より、セカンド・シングル「I Inside the Old I Dying」をリリース。ビデオも公開。

PJ Harvey - I Inside the Old I Dying (Official Video)
PJ Harveyは7月7日に発表されるニュー・アルバム『I Inside the Old Year Dying』より、セカンド・シングル「I Inside the Old I Dying」をリリース。あわせて、Cristóbal LeónとJoaquín Cociñaが監督したアニメーションのミュージック・ビデオも公開した。
「『ビデオは、小さなおとぎ話のようでもあり、また親密な儀式のようでもある』と考え、愛、死、そして復活についての短い物語として、このビデオ構想した。アニメーションを美しく自然な風景でありながら、物質的な生々しさのある状態に保ちたいと考え、私たちが見る要素を、キャラクターや小道具ではなく、儀式の一部である工芸品やお守りであるかのようにしたかった」とCristóbal León/Joaquín Cociñaは語る。
「この繊細で美しい曲は、スタジオでの最後の日まで、私たちの心を捉えて離さなかった。それまでの5週間、私たちは何度もこの曲を捉えようとしては失敗していたが、Johnがギター・パターンの雰囲気を作り直した。コントロール・ルームでJohnがデモンストレーションをしているときに、Floodが私にマイクを渡してレコーディングのボタンを押し、私はJohnの隣でそれに合わせてどう歌うかを考えていた。その結果、私が求めていた幽玄でメランコリックな憧れを表現することができた。歌詞の中では、誰もが救世主の再登場を待ってる。誰もが、そしてすべてが、愛と変容をもたらすこの人物の到着を待ち望んでいる。そこには、性的な憧れと目覚め、そしてある領域から別の領域へと移動する感覚、つまり子どもから大人へ、生から死へ、そして永遠への移動が存在する」とPJ Harveyは語る。
I Inside the Old I Dying
December
The beech buds wait.
The aish buds wait.
The frogs and twoads in lagwood holes
and hedgehogs in their leafy ditch,
all waiting for His kingdom.
The eth waits.
The dead brakes
host the holly’s bloody beads;
they are His crown of thorns
and He will rise again.
Oh Wyman, Oh Wyman.
Unray I for en.
Slip from my childhood skin;
I zing through the forest,
I hover in the holway
and laugh into the leaves.
Oh Wyman, Oh Wyman.
Unray I for en.
I laugh in the leaves
and merge to meesh,
just a charm in the woak
with the chalky children
of evermore.
aish – ash tree; twoad – toad; lagwood – the larger cut off branches and twigs of a tree; eth – earth; brake – a thicket; blood beads – berries; Wyman – warrior; unray – to undress; en – him; holway – hollow lane; meesh – moss; charm – a noise or confusion of voices, as in children or birds, a spell; woak – oak; chalky – ghostly
PJH
ブナの芽はじっと待つ。
トリネコの木はじっと待つ。
カエルとガマは木々の穴の中で
ハリネズミは木の葉で埋もれた溝の中で、
誰もが彼の君臨をただじっと待っている。
大地はじっと待つ。
動かなくなったブレーキ
ヒイラギの真っ赤な血の色の実:
それらは神のイバラの冠
彼が再び降臨する。
おおお、戦士、ワイマンよ。
あの人のために私から服をはぎ取って。
私は幼い肌をするりと脱ぎ捨てるように、
森の中を駆け抜けて、
くぼんだ道を彷徨いながら
木々の葉に笑いかける。
おおお、戦士、ワイマンよ。
あの人のために私から服をはぎ取って。
木々の葉の中で私は笑い声を上げる
苔と一体化しながら、
オークの木々がざわめく
永遠という名の幼い亡霊
いつ何時も。
aish – トリネコの木、 twoad – ガマガエル、 lagwood –木から伐採された大きめの枝もしくは小枝、 eth – 大地/地球、 brake – やぶ/雑木林、 blood beads (血の数珠)– ベリー、 Wyman(ワイマン) – 戦士、 unray – 脱がせる、 en – 彼、 holway – くぼんだ小道、 meesh – 苔、 charm(魅力) – 雑音、困惑した声、子供や小鳥や呪文から発せられる音、 woak – オーク、 chalky – ぼんやりとした/幽霊のような
対訳: 竹澤彩子

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■PJ HARVEY | PJハーヴェイ、7年振りの新作が完成。新しい始まりへの感覚に満ちた10枚目のアルバム『アイ・インサイド・ジ・オールド・イヤー・ダイイング』、リリース。

2023.7.7 ON SALE[世界同時発売]
PJハーヴェイ、7年振りの新作が完成。新しい始まりへの感覚に満ちた10枚目のアルバム『アイ・インサイド・ジ・オールド・イヤー・ダイイング』、リリース。
●プロデュース:フラッド&ジョン・パリッシュ

■アーティスト:PJ HARVEY(PJハーヴェイ)
■タイトル:I INSIDE THE OLD YEAR DYING(アイ・インサイド・ジ・オールド・イヤー・ダイイング)
■品番:PTKF3032-2J[CD/国内流通仕様]
■定価:¥2,500 +税
■その他:世界同時発売、解説/歌詞/対訳付
■発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
■収録曲目:
1. Prayer at the Gate
2. Autumn Term
3. Lwonesome Tonight
4. Seem an I
5. The Nether-edge
6. I Inside the Old Year Dying
7. All Souls
8. A Child’s Question, August
9. I Inside the Old I Dying
10. August
11. A Child’s Question, July
12. A Noiseless Noise
PJ Harvey - A Child's Question, August (Official Video)
●グラミー賞にもノミネートされた『The Hope Six Demolition Project』以来となるPJ Harveyのニュー・アルバム『I Inside the Old Year Dying』は、Partisan Recordsより、7月7日にリリースされる。アルバムのプロデュースは、長年のコラボレーターであるFloodとJohn Parishが手掛けた。確かに、Harveyは、そのキャリアを通じて、それぞれの段階で自身を新しい場所に連れて行くことを常に保証してきた。しかし、彼女の新曲は、彼女自身の基準からみても、大胆で独創的である。新しい始まりへの感覚に満ちており、最も魅力的な方法で、その創造的な大胆さと、開放的で心地よい感覚を兼ね備えている。「休息空間、慰め、快適さ、癒し。今の時代にはタイムリーだと思う」とHarveyは新曲群について語る。『I Inside the Old Year Dying』の物語は6年前に遡り、2017年の前作のツアーの終了と、その直後のHarveyの心境に至る。彼女が痛感したのは、アルバムとツアーの終わりなきサイクルのどこかで、音楽そのものとのつながりを失っていたことであり、その実感は言葉にならないほど悩ましいものだった。しかし、2つのことが、彼女を新しい歌や音楽、サウンドの方向性へと向かわせるようになった。ひとつは、『The Hope Six Demolition Project』期のシカゴで、アーティストで映画監督のSteve McQueenに会ったときの記憶だ。彼からのアドバイスは、「言葉、イメージ、音楽について自分が好きなものを思い出し、『アルバム』を書くという概念を捨て、この3つの情熱に集中し、プレイしなさい」というものだった。もう一つは、シンプルに「演奏する」という行為だった。ギターを手にしたり、ピアノの前に座ってNina SimoneやBob Dylanといったアーティストのお気に入りの曲をプレイすることで、音楽という芸術に対する情熱を再確認することができたのだ。Harveyが新曲を書き始めたとき、アルバム、ツアー、アルバム、ツアーのサイクルに戻る最初のステップというよりも、音楽自身のために音楽を作るという解放感があった。彼女は、過去にサウンドトラックや劇場での音楽活動で感じた創造的な自由の感覚を引き出していた。同時に、彼女の視点は、『Let England Shake』や『The Hope Six Demolition Project』の大きなテーマ(戦争、政治、世界を見つめる)から、より親密で人間的なものへと変化していた。「(新曲は)3週間くらいで私の中から出てきた。スタジオはライヴ演奏用に設置され、私たちはそれしかしなかった」とHarveyは語る。『I Inside the Old Year Dying』が非常に手触りの良い、人間的なレコードであるとすれば、それは収録されているほぼすべてがインプロヴィゼーションに根ざしているためでもある。この作品には、何か深い高揚感と救いが存在する。「アルバムは、探し求めること、つまり初恋の激しさ、そして意味を求めることをテーマにしていると思う。でも、このアルバムから感じられるのは、愛だ。それが、この作品をとても歓迎すべきもの、つまりオープンなものにしていると思う」とHarveyは語る。
●PJ Harveyはキャリア開始当初から注目を集め、マーキュリー・プライズを2度以上受賞した唯一のミュージシャンである(2001年の『Stories From The City, Stories From The Sea』と2011年の『Let England Shake』)。詩人、ヴィジュアル・アーティスト、ミュージシャン、ソングライターとしても活動する彼女の作品は、鮮やかで吸収力があり、強く個性的であることが注目される。母国イギリスでチャートの1位を獲得した『The Hope Six Demolition Project』のリリース以来、舞台や映画のための作曲を手がけ、最近ではSharon Horganのミニシリーズ『Bad Sisters』が高く評価されている。
