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■The Good Life | 今週ニュー・アルバム『エヴリバディーズ・カミング・ダウン』が発売されたザ・グッド・ライフのティム・ケイシャーの鈴木喜之氏による最新インタビュー!



ティム・ケイシャー、インタヴュー
(インタヴュー by 鈴木喜之)

●ごぶさたしてます。少し間が空いたので、まずは簡単にカーシヴ『アグリー・オルガン』のリイシューに関する質問をさせてください。ファンの間でも未だ人気の高い『アグリー・オルガン』ですが、その再現ツアーをやってみて、あのアルバムに対して新たに何か発見したことなどはありましたか?

そうだね、「深い傷」でさえも、来てくれた観客に受け入れられたようだとわかって楽しかったよ。おそらく、「アグリー・オルガン」からの曲は何年もライブでやっていなかったから、なおさらだったのかもしれないね。「ブラッディー・マーダー」とか「ハロルド・ウェザーヴェイン」とか。


●グレッタ・コーンも幾つかのショウで久々に一緒に演奏したそうですね。感想を教えてください。

まるで、彼女がバンドを離れたことなんてなかったようにうまく行ったよ。リハーサルも十分してきてくれて、彼女とプレイするのは簡単だった。お客さんも本当に喜んでいたね。


●過去への探訪フェーズを終えたカーシヴは、次にどんな方向に進んでいくことになりそうでしょうか? 前回メールで質問を送った時には、ライヴ盤の計画があるとのことでしたが、それはお蔵入りになってしまったのですか?

引き続きカーシヴのライブトラックをまとめる作業はするけれど、今のところライブアルバムを出すという具体的な予定があるわけではないんだ。僕はグッド・ライフやソロアルバムで忙しくてね。カーシヴのほかのメンバーもとても忙しいし、今はちょっとブレイクをとっているんだよ。


●さて、今回はザ・グッド・ライフ8年ぶりの新作ということになりました。このバンドで再びアルバムを作ろうと考えたのには、何か理由がありますか?

僕たちはずっとグッド・ライフのアルバムをもう一枚作りたかったんだけれど、時間を作るところまではいかなかった。「いつなら、次のアルバムを自分の時間の中に組み込めるんだ?」と僕は自問し続けたよ。それで、もしアルバムを作るのなら、締め切りを決めてアルバム作りに取り掛かるしかないって思ったんだ。アルバム作りはとても楽しかったよ。


●かなりブランクが空いたのにもかかわらず、大昔に来日した時と同じメンバー、ライアン、ステファニー、ロジャーと変わらぬ顔ぶれが揃いました。この間あなたはカーシヴに加えてソロ名義の作品もリリースしてきたわけでが、現在のあなたにとって、グッド・ライフというプロジェクトは、今やどのような位置にある存在となっているのでしょう?

僕は今現在、グッド・ライフに対してノスタルジックな気分でいるんだ、それは、グッド・ライフからずいぶん離れて過ごしていたっていうシンプルな理由からなんだけど。それぞれのプロジェクトは、僕の中で等しくバランスを取ろうと思っている。それぞれのアルバムが、その時点で自分が書けるベストな作品であるようにと思っているんだ。


●ソングライティングやレコーディングの進め方などについては過去の作品と何か変化がありましたか?

もちろん。このアルバムはこれまでよりも、それぞれのメンバーの個性が強く反映されているんだ。以前は、僕がより静かでアコースティックな志向で曲を書いていたから、時にバンドは、それに合わせるように抑制しなければならかった。でもこのアルバムでは、僕はバンドをイメージして曲を書いたから、それぞれのメンバーがサウンドに自分らしさを出す必要があったんだ。結果として、このアルバムはバンドとして気に入っているし、グッド・ライフとして一番結合力の強いアルバムになったと感じているよ。


●2013年の終わりから、2014年を通して、本作の曲を書いていったそうですが、特にコンセプトなどはあるのでしょうか? 今作の収録曲は、どういった物事から歌詞や曲、あるいはアレンジのアイデアを得ていったのでしょう?

このアルバムでは重すぎるコンセプトは避けようとしたんだけど、期待することの難しさ、そしてその期待が叶ったあとにやってくる失望について書いてみた。このところ、現在における人生を経験することがいかに難しいについてずっと考えているんだ。というのは、我々は過去を追憶したり、未来を予測してみたりすることが多いからね。


●オマハのARCスタジオで今年の1月から本作を録音したそうですね。地元でのレコーディングは順調でしたか? なにかエピソードなどあれば教えてください。ちなみに現在あなたはシカゴからまたオマハに戻ってきたのでしょうか?

今もシカゴに住んでいるよ。ARCは快適だし、慣れ親しんでいるし、本当に大好きなスタジオだ。僕のすべての作品はここで作るべきだね。ARCでレコーディングするのはいつだって楽しいし、オマハで時間を過ごすこともそうだよ。どれだけ離れていたとしても、オマハはずっと僕の故郷だね。


●ギターの音色やフレーズ、バック・ヴォーカルなどが、さらに味わい深さを増していると感じたのですが、今作で、ライアン、ステファニー、ロジャーはそれぞれどんな貢献を果たしてくれたと思いますか?

たくさんあるよ!さっきも言ったけれど、このアルバムではメンバーそれぞれが自分のスタイルを出したんだ。ロジャーはクラシックロックの信奉者だし、ステファニーは複雑で力強いベースラインを好み、またコーラスをとるのも好きだ。ライアンは愉快で奇妙な美的センスを持っている。彼の独特なテイストはこのアルバムの特徴になっているよ。


●ソロ名義の『アダルト・フィルム』に引き続き、今作でもミキシングにジョン・コングルトンを起用していますね。グラミー賞もとったセイント・ヴィンセントの最新作は確かに素晴らしかったですが、あなたも実際に仕事をしてみたことで、彼のことをいよいよ高く評価しているということでしょうか。彼の働きぶりで特に優れていると感じるのはどんなところでしょう?

コングルトンは、僕がこれまで仕事をした中で最も大胆なプロデューサーなんだ。だからみんな彼と仕事をしたがるのさ。自分が思っていたのとは全く異なる方向に彼は楽曲を持っていく。ミックス作業の間、彼は、通り抜けるのが最高なフィルターになってくれるんだ。


●『アグリー・オルガン』の頃から現在まで、あなたは自分の気持ちを赤裸々に吐露するのではなく、コンセプトやストーリーなどを立ててそれにのっとって曲を書く手法を極めてきたと思います。しかし今や、そうして作られた楽曲こそが逆説的に、あなた個人の考えや心情を深いところから広く世に晒していると感じられるようになったりはしていませんか?

興味深い見方だね。自分の場合、表現したい根源的な気持ちがあって、その気持ちを、日常生活のどんな経験が反映しうるのか、時間をかけてよく考えるんだ。それから僕は、その経験の物語を書き、僕が表現したい根源的な感情が、誰にでも共感できる経験に置き換えることで、伝わればと思っている。これじゃ、ただのフィクションの書き方の分析になっているけれどね(笑)。でも、これが僕がこれまで信じてやってきた物語の書き方だよ。フィクションというのは、往々にしてわれわれが抱える真実を覆うヴェールのようなもので、物語を語る上でより強い印象を与えるためにちょっとひねってみたり、脚色してみたりしてみただけなんだ。


●この後はグッド・ライフとしてのツアーになると思います。どのようなショウにしたいと考えていますか? これからはカーシヴ→ソロ→グッド・ライフを順番に乗りこなしていくような活動になっていくのでしょうか? それともさらに新たな展開もありえますか?

まだツアーは始まっていないけれど、もちろん楽しみにしているよ。いつものように、古い曲と新しい曲の両方をバランスよく演奏する。昔の曲については、進化形のアレンジを見つけたいと思っているよ。そうすることで、バンドも観客も新鮮な気持ちでいられるからね。今後については、そうだね、リリースする時間を見つけてバンドとプロジェクトをローテーションし続けるだろうね。どのくらいかって?それは誰もわからないよ!有難う。






2015.8.19 ON SALE

THE GOOD LIFE
“EVERYBODY'S COMING DOWN”

ザ・グッド・ライフ『エヴリバディーズ・カミング・ダウン』
■品番:LBJ-221CDJ[国内流通仕様]■価格:¥2,000+税
※国内流通仕様は帯付で解説他は付きません。
【収録曲目】
1. 7 In The Morning
2. Everybody
3. The Troubadour's Green Room
4. Holy Shit
5. Flotsam Locked Into A Groove
6. Forever Coming Down
7. Happy Hour
8. Diving Bell
9. Skeleton Song
10. How Small We Are
11. Ad Nausea
12. Midnight Is Upon Us

The Good Life - Everybody


ザ・グッド・ライフは2000年にカーシヴのフロント・マン、Tim Kasherのソロ・プロジェクトとして始動したインディ・ロック・バンドだ。メンバーはTim Kasher、Stefanie Drootin、Ryan Fox、Roger Lewisの4人で、現在は確立されたバンドとして活動を行っている。2000年にTimとMike Mogis(Bright Eyes他)のプロデュースによるデビュー・アルバム『Novena On A Nocturn』をBetter Looking Recordsよりリリース。2002年にはSaddle Creek Recordsよりセカンド・アルバム『Black Out』をリリースした。EP『Lovers Need Lawyers』を経て、2004年にはサード・アルバム『Album Of The Year』をリリース。2007年には4枚目のアルバム『Help Wanted Nights』をリリースしている。当『Everybody's Coming Down』はバンドにとって5枚目となる約8年振りのアルバムだ。2013年の10月から2014年の末にかけてTimによって同作品の曲は書かれ、2015年の1月に地元オマハのARC Studiosでレコーディングは行われた。ミックスはテキサスでJohn Congleton(St. Vincent, Cloud Nothings他)が手掛けた。アルバムではRogerのクラシック・ロックに対する愛、Ryanのメロディーに対してのアプローチ方法、Stefanieのベースとカラフルなヴォーカル・アレンジ、そしてTimのソング・ライティングが絶妙に混じり合っており、過去のどの作品と比べても、初めて4人が「バンド」として体現された作品となっている。





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2015-08-21 : Saddle Creek :
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